ネットにある商品レビュー、レビューと言うより買い物報告ばっかじゃねえか。こっちはちゃんと一定期間使い込んだうえでの意見を聞きたいんだよオイ!…と日頃から思っていた。ならばまずは自分からということで、以前から愛用している『書いたインクを消せる蛍光ペン、サインペンとボールペン』について書く。
これまでに資格の勉強などで、書いたインクを消せる蛍光ペンやカラーボールペンはよく使ってきた。たぶん軽く150本は使い切ったと思う。いま散らかった机の上や謎の箱をあさったら、使い掛けが80本ちかく出てきた。これは試験直前にインク切れで勉強が出来なくなってしまうのを恐れて、売っているのを見かけるたびに各色を5本10本と買い足してきたからだ。
これだけの数を買って使ってきたので、一定期間使い込んだうえでの意見として参考にしてもらえると思う。
『消せる』ペンのインクが消える仕組み
現在発売されている『消せる』ペンのインクが消える仕組みは3種類ある。1つめは塗った色の上から消しペンを塗ると化学反応で消える方式(昔の参考書や英単語帳に赤や緑の下敷きとセットで付属していたやつ)、2つめは鉛筆と同様に消しゴムでインク自体を物理的に落とす方式、そして3つめは熱で透明になるインクを擦って摩擦熱で消す方式だ。
使わなくなった消せるペン
昔使っていた消せるペンは三菱鉛筆のuni PROPUS erasable(プロパス・イレイサブル)とパイロットのe-GEL(イーゲル)だ。それぞれの使わなくなった理由を書く。
三菱鉛筆 uni PROPUS erasable(プロパス・イレイサブル)
まず『消せる蛍光ペン』、三菱鉛筆のuni PROPUS erasableについて。この蛍光ペンはインクを物理的に落とす方式だ。このペンで線を引くと、乾いたインクは半透明の色のついたビニールのように変化して紙の上に貼り付く。消すときは、このビニール状の線をペンのキャップ先端についたプラスチックで剥がすように擦り落として消すのだ。
このPROPUS erasableはインクが厄介で、半乾きのままページを閉じると糊のようにくっついてしまう。例えばまずテキストの左ページに線を引き、次に右ページに線を引き、そしてページをめくると先ほど引いた線のインク同士が触れてしっかりとくっついてしまう。それを剥がそうとすると紙自体が剥がれてしまい、印刷された文字まで持っていかれてしまう。ひどいときには紙が破れてしまう。
また同じ部分に重ね塗りをした場合、ビニール状のインクが厚塗されていきカピカピのテカテカになって、肝心の文字がとても見づらくなる。
消すときもキャップ先端についたプラスチックで剥がれるまで何度もこするので、紙が伸びてブヨブヨに浮いてしまったり印刷のインクが伸びて見づらくなってしまったりする。
さらにインクの7割ほどを使ったころ、必ずと言っていいほどペン先端からインクがドボドボとこぼれて紙が汚れる。それを拭くためのティッシュを常に用意していないと大変なことになる。
書き損じたときに消して書き直せる蛍光ペンが登場したのは有難かったが、PROPUS erasableは使いづらくていろいろ大変だった。未だに売られているのは意外だが、欠点が改善されたのだろうか。手元にまだ10本ほど残っているが、これは捨てる前提の本を読むときに使って消費している。
パイロット e-GEL(イーゲル)
そして『消せるボールペン』、パイロットのe-GEL(イーゲル)について。このボールペンはすでに製造中止になっている。こちらもインクを物理的に落として消す方式だ。インクが乾くとチョークの粉のような顔料の線が残り、それをキャップ先端の消しゴムで擦ると鉛筆と同じようにインクが消える。普通の消しゴムでも消すことができる。
e-GELはとにかくペン先の詰まりが酷かった。買って帰っていざ使おうとすると書けないことがあまりにも多かったので、購入時に店で買う色のペンをあるだけ全て試し書きしてみたことがある。その結果、半数が最初からペン先が詰まっていて全く書くことができなかった。マトモに書ける残り半分を買い占めるついでに、ペン先が詰まって書けないペンは店員に不良品だと伝えて渡した。翌週にその店へ別の色を買いに行ったところ、不良品だと伝えたペンがまた売り場に並んでいた。なぜわかったかというと、俺が買い占めて残り半分に減ったその色のペンを試し書きしてみたら書けるものは1本もなくて全てが不良品だったからだ。横浜市の有隣堂書店である。
またe-GELは線が太いうえにインクが水っぽいので、テキストの行間に小さな文字で書き加えると字が潰れてしまった。あとテキストやノートを使っているうちにインクの顔料が擦れて文字や線の色が薄くなり、その顔料が周囲に薄っすらと広がってしまった。
こちらもまだ手元に何本か残っているが、たまに思い出したときに使おうとするとペン先が詰まっているのでそこで捨てている。
現在愛用している消せるペン
その後、パイロットのフリクションシリーズに出会ってからは、こればかりをリピート購入している。使い勝手がいいだけでなく、色の種類が多いのも便利だ(※後述)。買い続けた結果これまでにたぶん150本くらいは買っているので、フリクションシリーズは良いものなのだと自信を持って言える。
このフリクションシリーズはインクが実際に消えるのではなく、ペン付属のラバーパーツで擦った摩擦熱でインクが透明になり、あたかも消えたかのようになる方式だ。消すためのラバーパーツはペン本体のお尻側(ペン先の逆側)に付いている。
なお摩擦熱でインクが消えるフリクションシリーズ全ての注意点として、消すために擦った摩擦熱で紙の裏側のインクの色もその摩擦熱で消えてしまうということがよくある。そうなってもまた書き・塗り直せば済むことだ。
あと書いて・塗ってから数ヶ月経つと、色が少しだけ薄くなる。と言っても見づらくなるほどではない。
フリクションライト
フリクションライトは『消せる蛍光ペン』だ。一般的な蛍光ペン同様、4mmほどの幅の線が引ける。
気をつけるべき点は、消せるというのは上記の通り消えたかのように透明になるだけで、実際は塗ったインクが存在するということだ。そのため消した上にもう一度線を引き直すと重ね塗りの状態になる。そして先に塗ったインクが後から塗ったインクを弾いてしまったり、色がベタッとしてしまったりする。
まあ、大した問題ではない。
フリクションカラーズ
フリクションカラーズは『消せるサインペン』で、線の太さは1mmくらいか。こちらはアンダーラインを引いたり図を塗りつぶしたりするのに適している。
ただ定規を使ってきっちりとアンダーラインを引いていると、その定規と当たったペン先が摩耗してすぐに太くなってしまう。仕方のないことだけど。
フリクションボールノック
フリクションボールノックは『消せるボールペン』だ。ペン先の太さは0.5mm、0.7mm、1.0mmという3種類があって、そのうち0.5mmのものを使っている。アンダーラインを引いたり、重要キーワードの周囲を四角で囲ったりととても使い勝手がいい。
ただし0.5mmではテキストの行間に文字を書き加えるには若干線が太いので文字が潰れてしまう。
フリクションボール
フリクションボールにはノック式の『フリクションボールノック』と、キャップ式の『フリクションボール』がある。キャップ式のフリクションボールのペン先太さは0.5mmと0.7mmの2種類。
このキャップ式はまず書くためにキャップを外す動作が必要だし、そのキャップをボールペン本体のお尻側に付け替えるとラバーパーツを覆ってしまうので、消すときにまたキャップを外す動作が必要になる。これが地味に煩わしい。
手元には間違って買ってしまったキャップ式が何本かある。それがあまり使わない色なので、この先いつになったらインクを使い切れるのかわからない。つくづく地味に煩わしい存在だ。
フリクションボールスリム
フリクションのボールペンの0.5mmのペン先では細かい文字を書くにはやや太すぎる。そこで買ったのがペン先0.38mmの太さ、と言うか細さのフリクションボールスリムだ。これはノック式しかない。
0.38mmの細さなので細かい文字もよく書ける。だがペン先が細すぎるため、紙をしっかり押さえないと浮いた紙をペン先が突き破ってしまうので注意が必要だ。
あとボールペン本体が箸のように細くて持ちにくい。お洒落デザインを狙って細くしたようだが、そのせいで細かい文字を書くときに使いにくくなってしまっている。
プリクションポイント04
フリクションのボールペンには他にキャップ式でペン先0.4mmのプリクションポイント04がある。これはまだ使ったことがない。より細いものを買おうというとき、0.4mmと0.38mmを比べたらそりゃより細い0.38mmを選ぶでしょ。
まとめ
パイロットのフリクションシリーズは良いぞ!
ひとつだけ不満があるとすれば、蛍光ペンとサインペンはインク切れになったときに本体のプラスチック軸ごと捨てなければいけないのが資源の無駄で嫌な気持ちになること。気に入ってたくさん使っているので、度々罪悪感を覚える。ボールペンは替芯が売られている。
書店の文房具コーナーや文房具屋だと種類や色のラインナップは豊富だが、値段は高い(横浜駅西口の相鉄ジョイナス地下=旧・ダイヤモンド地下街の有隣堂書店文具コーナーなど)。一方、100円ショップやホームセンターなどではラインナップや色の種類は少ないが、安く買うことができる。当たり前のことを書きました。
ネット購入用リンク
近所のお店を探したほうが安いよ。探す時間がないならネットで。
おまけ・色の塗り分け方法について
なんで勉強するのにいろんな色を買い揃えたかというと、この記事でもわざとらしくやってみたけど、文章の主語や目的語、状況ごとに色を振り分けると視覚的に理解しやすく・覚えやすくなるからだ。実際のテキストだと内容がもっと濃密で文章ごとに主語や目的語が目まぐるしく変わるので、ひと目で判別できる色で文章構造がわかるようにするのはなかなかの工夫だと思う。
この記事では黄色=重要、緑色=消しゴムで物理的に消す、ピンク色=摩擦熱で透明化(熱=火のイメージ=赤)、水色=色分けについて、というふうに雑に割り振ったが、実際には暖色系=重要度により段階的に黄色<オレンジ色<赤、緑色=中立、寒色系=ネガティブ内容、グレー=否定など、もっと細かく割り振る。
色に意味を持たせているので、書き損じたときに修正できることが必須なのだ。
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